CHAPTER 1-1 ケイザイ以前の話
『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』(ムギタロー著)で経済を復習するシリーズ、今回からいよいよ第1章に入ります。
第1章では最初に100匹のチンパンジーと100人のヒトが無人島に流れ着いた場合、2つの種の暮らしにある違いは何かと問いかけます。
答えは「言葉」
ヒトは言葉を使って、水を汲む人、食料を調達する人などの役割分担ができます。しかし、言葉がつかえないチンパンジーたちは、必要なものを各自でなんとかするしかありません。人間は言葉で役割分担して協働できるのが強みです。
ちなみに、ヒトとチンパンジーの遺伝子はほとんど同じで、違いは1%から2%くらいしかないそうです。じゃあ、ヒトとチンパンジーの進化を分けた原因はなんだったのかと考えると眠れなくなりそうですね。
それはともかく、ヒトは言葉によって仕事の役割分担をしたり、水や食料など物資を分配したり、知識を共有したり子孫に伝えていくことができます。そして、ここからケイザイが始まったとされています。
CHAPTER 1-2 役割分担をしよう
ここからチンパンジーは消えて、100人のヒトが暮らす島の話になります。そして100人の島民たちが暮らしていくためには、次の3つのものが必要です。
- 食料
- モノ
- サービス
これら3種類のために10人が農家になり、100人分の食糧を作ります。40人が職人となり、100人の生活に必要なモノを作ります。50人はサービス業となって、髪を切ったり荷物を運んだり100人の島民が便利に楽しく暮らせる仕事をします。
ここで本書は一つの疑問を投げかけてきます。
「この島にはまだ“お金”がありませんが、この島の100人はお金が無くても生きていけるでしょうか…?」
CHAPTER 1-3 どうやって分ける?
答えは「生きていける」ですが、「みんなが仲良しだったら」という条件がつきます。
そりゃそうだよね。しかし、実際には「みんな仲良し」なんてありえない。ヒトが2人いれば争いが生まれる条件は整う、って言われますしね。ヒトにエゴがある限り、兄弟姉妹や友人同士でも必ずいつかは衝突します。
それが100人もいればトラブるのは当然。ジャイアンのように「オレのものはオレのもの。オマエのものはオレのもの」って言う奴もいれば、世の奥様方のようにこっそりとヘソクリを貯めこむ人も出てきます。
また、仕事の分担にしても必ずもめます。誰だってラクして儲けたいから、キツイ仕事はなり手がいません。
そんな身勝手なヒトという生き物たちが、じょうずにモノやサービスを分け合うにはどうしたらいいでしょうか?
そこで住民たちはリーダーを選びました。
物資の分配や役割分担はリーダーに決めてもらおうというわけですね。でも、誰もが思いつくように、この方法ではうまくいきません。リーダーが全員に公平な分配をすることは不可能です。
ヒトは権力をもつとエゴが増大します。好きなヒトにはイモを10個やる一方で、嫌いなヒトには5個しかやらん! と言うことも珍しくありません。むしろ、100個のイモのうち50個を99人で分けろ、オレは残りの50個をひとり占めだ。ガッハッハ! と言ってるのが今の世の中でしょう。
だからマルクスは「資本家どもを片っ端からぶっ〇してやろうぜ! 革命だ、ヒャッハー!」と言っていたわけですね。また、アホに政治をやらせたらろくなことにならんと言ったのはソクラテスとプラトンでしたっけ? 知らんけど。
ま、ヒトというエゴが服着てるような生き物に公平な分配や分担はムリだべ! という結論のようです。
したら、どうするべ? 100人の島民たちが話し合った結果、とあるシステムを作ることになります。そのシステムさえあれば、食料・モノ・サービスを平等に分けることができるし、仕事の分担もスムーズになるというのです。
そんな夢のような方法があるんでしょうか?
そろそろ酒を飲まないといけないので、今回はここまで!
したっけね。