おカネの価値って誰が決めてるの? 租税貨幣論と信用貨幣論

おいちゃんの経済学復習コース
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『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』で学ぶ経済学復習コーナー。

前回までのCHAPTER 1では島に住む100人のヒトたち(と言っても動物たち)が役割や資源を効率よく分担・分配するために「国」というシステムを作り、「おカネ」というアイテムを取り入れたところまでが説明されていました。

今回のCHAPTER 2-1では、島のヒトたちが「おカネ」に価値があると認めるにはどうしたらいいのかについてです。

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租税貨幣論と信用貨幣論

おカネとしての機能を果たすには、

みんなが価値を認めること
その価値がすぐになくならないこと
小さく分けられること

の3つの要素が必要です。

金や銀はキレイだし数も少ないので、誰もが価値を認めます。また、金や銀は腐ることもないし、細かく分けることできるので、おカネとしてはうってつけです。

こうした価値のあるモノをおカネにすることを「商品貨幣」と言います。

画像:gold-kinka.png

でも、実際には金や銀を持ち運ぶのは重いし、いちいち量を計るのも面倒です。なにかもっといい方法はないかと考えた島の政府は、紙に「エン」と印刷して島民たちに配りました。

しかし、島民たちはその紙をおカネとは思いません。この状態では「子ども銀行券」や「人生ゲームのおカネ」と同じです。

そこで政府は、「毎年このエンで税金を納めないと、逮捕しちゃうぞ!」と言いました。となれば、島民たちは逮捕されないようにエンを集めなければなりません。こうしてエンは島の中でおカネとして使われるようになります。

こうした税金によっておカネに価値を与えることを「租税貨幣論」と言います。

おカネに価値を与えるには、もうひとつ方法があります。

本書では具体例を細かく説明していますが、引換券として発行された紙をみんなが信用していればおカネとして通用します。

「楽天ポイント」や「Amazonギフト券」もおカネですが、そのサービスの中でしか使えないのと税金を支払えないので、おカネとしての機能はかなり限定的です。

こうした、引換券としてみんなが信用しているから価値があるとする考え方を「信用貨幣論」と言います。

ぼくたちが毎日「円」というおカネを安心して使えるのは、日本銀行という政府の子会社が発行しているからですね。政府の連中は信用できなくても、日本はこの先も国家として続いていくと思っているから、安心して「円」で買い物ができるわけです。

もし中国に攻め込まれて「今日から人民元使うアルヨ!」とか、ロシアに占領されて「もう円は使えんスキー!」なんて言われないかぎり、ぼくたちは来年も再来年も10年後も「円」を通貨として信用しています。

ということで、CHAPTER 2-1はここまで。

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兌換紙幣 金本位制 不換紙幣とは?

ここからは、おいちゃんの「自習ノート」です。

金や銀のように、誰もが価値があると認めたモノをおカネとしたのが「商品貨幣」でした。これに関連する用語として「兌換だかん紙幣」「金本位制」「不換紙幣」があります。

兌換紙幣とは、金や銀など価値あるモノ(正貨)との引き換え(兌換)が保障された紙幣のこと。そして金本位制は、その国の中央銀行が紙幣と金の引き換えを保障することです。

それに対して不換紙幣は金や銀と引き換えせず、政府に対する信用で発行する紙幣です。こうしたおカネのことを「信用貨幣」とか「債権」といいます。

兌換紙幣:金や銀との引き換えが保障された紙幣
金本位制:兌換紙幣と金の引き換えを政府が保障すること
不換紙幣:モノではなく政府に対する信用を根拠に発行する紙幣

現在はほとんどの国々が不換紙幣を採用していますが、その理由について兌換紙幣・不換紙幣それぞれのメリット・デメリットを調べてみました。

兌換紙幣のメリット・デメリット

兌換紙幣のメリットは、なんといっても金や銀によって価値の裏づけがあること。そしてもうひとつは、紙幣としての価値が安定すること。金や銀には希少価値があるので大きく価値が上がったり下がったりしないのは安心ですね。

ただし、紙幣の発行額が金や銀の保有量によって制限されるのが最大のデメリットです。

たとえば防災のためにダムを作ろうとします。ダムを作るにはたくさんのおカネが必要ですが、兌換紙幣はもっている金や銀の量しか発行できないので、もうこれ以上はおカネが作れないとお手上げです。

これは、国の経済規模が金や銀の量に制限されていることなので、それ以上この国は豊かになれません。

こうなるとモノやサービスの価値より、おカネの価値が高くなって、みんなおカネを使わなくなってしまいます。そうなるとモノを買ったりサービスを利用する人が少なくなるので、お店や企業は値段を下げてでも利用してもらおうとします。

それでも、みんなおカネを使おうとしません。

しょうがないから、お店や企業はさらに値段を下げます。これがドンドン続いてしまうのがデフレーション(デフレ)です。

デフレになると企業は儲からなくなったり赤字になるので、働いている人たちの給料を下げたり辞めてもらったりします。そうすると、みんなもっとおカネを使わなくなるので、デフレはさらに悪化します。これが「デフレ・スパイラル」。「♪真っ逆さまに落ちてデザイアー」状態です。

不換紙幣のメリット・デメリット

ということで、今はほとんどの国が兌換紙幣ではなく不換紙幣にしています。

不換紙幣には金や銀による価値の裏づけがいらないので、政府は必要なだけおカネを作れるのがメリットです。

しかし、うっかりすると世の中に出回るおカネの量を多くし過ぎてしまい、おカネの価値を下げてインフレーション(インフレ)を引き起こすことがあります。

とは言ってもバブル景気が終わってから、いくらデフレが長引いておカネが足りなくても、日本政府はおカネを世の中に回そうとしませんでした。それどころか消費税の税率を上げて、世の中からおカネを回収してしまいました。

どうしてセオリーと真逆の政策をとるんでしょうね? と思った方は、こんな本を読むとこの国のいびつなカラクリがわかるかもしれません。