竹内まりや『駅』の女のドライさ vs JAYWALK『もう一度』の男の女々しさ

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ある小説に、「女の恋は上書き保存、男の恋はフォルダー保存」というフレーズがありました。

女性は別れた男との過去を新しい男で塗りつぶしてしまうのに、男は別れた女をいつまでも忘れられない、という意味のようです。

このフレーズを見たときパッと思い浮かんだのが、今回のタイトルにある竹内まりやの『駅』、そしてJAYWALKの『もう一度』という曲です。

竹内まりやの『駅』は、別れた男をたまたま駅で見かけたけれど、懐かしさよりも苦い思い出がこみ上げてきてしまったという内容です。別れる寸前の修羅場を思い出してしまったのかも知れません。

そして女は隣りの車両から、かつての恋人を観察するだけで、何事もなく二人はそれぞれの帰路につきます。

 対して、JAYWALKの『もう一度』も、かつての恋人同士が駅で出会うというところは同じですが、こちらは男の都合のいい願望がガッツリ入ってます。なにしろ、昔の恋人がわざわざ人混みをかき分けて駆け寄ってくれるんですから。

それに気を良くしたこの男、なんと、再び寄りを戻そうと企みます。アホですね。こいつの恋のフォルダーは、量子コンピュータでも解けないくらいガッツリ暗号化してやりたいくらいです。

こんな女々しい男の心を、おっさんが切々と歌い上げるんですから、聴いているこっちのほうが気が滅入ります。

いや、ほんとはJAYWALK、けっこう好きで聴いてたんですけど、だんだん女々しい歌詞を聴いてるのがイヤになってきて……。全国のJAYWALKファンの皆様には、心からお詫び申し上げます。

しかし、この2曲を聴き比べると、「男の恋はフォルダー保存、女の恋は上書き保存」って、ほんとウマい言い方だなぁ、と膝を叩く思いでした。

ちなみに、このフレーズが出てくるのは山口恵以子の「婚活食堂」シリーズ。かつて人気だった占い師が営むおでん屋が、不思議と婚活スポットになっているハートフルな小説です。

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